庭の王さまの動きが鈍くなったうちに。
庭の王さまの動きが鈍くなったうちに。
昨夜の夜温が18度くらいもあった宮崎県の沿岸部。朝になって
庭を観察してみると、やはりというかやっぱりというか そこ
かしこに 単独行動しているアリの姿。ぁあ、安全にガーデニ
ング作業できる季節も終わっちゃったか・・などとおもいつつ、
庭仕事をすると必ず何者かに刺されちゃって・・・なんて経験
をされている方、ぜひご一読を。
↓
広い意味での農作業のなかの、たとえば剪定作業にかかる場合のお
はなしですが・・・
自宅などの庭に加えて、たとえば樹木に囲まれた圃場や、たとえば
学校や公民館といった公共施設の庭や、ちょっとした庭つきの事務
所などといったある程度の広さのある面積を剪定作業する場合には
より被害を蒙ることを覚悟せねばならない存在があります。
それが アリ。
なんといっても身近にいて馴染みがある昆虫ですし、童話などでは
働き者だというイメージもあり、また漢字などでも虫へんに❝義❞と
いう まるで赤穂義士でも連想させられるような字体があたられて
いますけれど、これがなかなかの強者[チームワーク巧者ぶりな回
はこちら]。
食性的には肉食のが多く、活発で攻撃力があって、これと思えば集
団で襲ってくるうえに、たとえば植物体のうえでアブラムシを飼う
ほどの知能もあるときたら・・・[ほかの小動物にとって]アリは自
然界に置いての恐ろしい捕食者以外のなにものでもないですよ。
またなんといっても彼らが強者である所以は、数ミリから数十ミリ
といったその身体の小ささそのもの。
たとえばハチやイラガや チャドクガに、毛虫ならまだよい。彼ら
は目立つのですから、むしろヒトをははじめとする大型の生物たち
も回避するのは容易です。しかし アリの群れだとそうはいかない。
たとえば剪定作業などであれば、予想しているよりもはるかに多く
樹上を行きかっているアリたちは、いつのまにやら作業者の袖口や
首筋、靴下とズボンの間などから気がつかぬうちに侵入していきま
す。万全の対策をしていても侵入してくるアリたちですから、これ
がもし作業者が何の防備もしていなかったとするならば、
この作業者のひじの内側とか脇から首筋にかけてとか、パンツのゴ
ムの部分とかの場所を、たくさんの小さな侵入者たちは
ときには噛んだり・ときには腹部先端にある毒針で刺したりと、や
りたい放題に蹂躙していくのです。
そのアリ被害による患部の症状ですが、皮膚が赤くなったり水ぶく
れになったり・・・そして自分の場合はとくに湿気のある場合など
はなぜか数日後にいきなり腫れてきます[完治するまで3週間とい
うかんじ]。また一度は痒みがおさまったとしても、またぶり返し
たり。一か所の被害ならともかく、こんな症状が数十か所などに
及んだとしたら、考えただけでもそれはもういやになってしまいま
すよ[剪定という作業自体がいやになっちゃったり]。
さて そんな庭の王者というべきアリたちですが、このアリたちが
いなくなるというか、いても活動的ではなくなる時期があります。
そのはじまりが 秋。たとえばこちら、九州の庭のアリたちは11
月になると、めっきりとその数を減らしてきます。そう、最高気温
が18度を下回ってくるころになると、動きが鈍くなり活動範囲が
じょじょに狭まってくるのです。
そしていま。11月から来春の3月くらいにかけてのこの時期[いわ
ゆる無霜地帯でもありますし]になってやっと、この地ではアリ刺さ
れというストレスなしに作業できる最良の季節がはじまります♪
ということで今回は、庭の支配者ともいえるアリがいるために な
かなか切れなかった あの木の枝や植え込みの乱れが、やっとばり
ばり切れる季節になったぞという、いわゆる鬼のいぬまの命の洗濯
みたいな そんなお話となりました。
→ マダニは11月下旬までの回は こちら。
アリに刺されるとか、咬まれるとか、ギサン[アリの酸と
書いて蟻酸ですものね]でも肌が赤くなったりとかの被害
をもたらす事実を知らない方も、けっこういらっしゃい
ます。知らない方にはぜひおしえてさしあげていただき
たきたいなとおもいます[かつての野ギャルさんたちとか]。
ちなみに装備ですが、シャツの下の加圧式のアンダーウェ
アに、すべすべした弾力のある手抜きは必需品。
首元には和手拭いのうえに伸縮性のあるタオルを巻いて
剪定作業しております[こんなかんじ]。・・・大げさだ
なと思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、いわ
ゆる温暖化の進むなか九州並のムシ対策は、全国的にム
シできなくなるとおもいますよ[そう台風被害のように]。
奇妙な生き物。
昨日の昼間、足元でうごめく小動物を認識した。
のののののののののののののののののの
ここらあたりはもともとムカデの多い土地柄なので、この個体も
“ムカデか、あるいはヤスデかな” と すぐに思った。
しかし。
観察していると、この動物。どうにも動きが 変 。
身体をくねらせて動く節足動物にしては、動きがおかしい。
ののののののののののののののののののの
そう・・・身体を曲げずに硬直し・一本の棒のような状態 で 進む。
[ハロウィンの]ゾンビのようにつっぱった身体でいながら、しかし
それでも 前に進む。
むむむ と おもって 顔を近づけると、すぐにこの生物の正体が
わかった。 ↓ それは・・・・
春がきて、せっせと巣へ食べ物[おそらは乾燥したミミズ]を運ぶ
すばらしくチームワークのよいアリさんたち だった。
のののののののの
それにしても、 この配置の妙って いったい。。
こんなに規律の良いチームと 綱引き対決は したないな と
そう思いましたよ、ええ。
油断すると大木[たいへん]。
草木がいっせいに芽吹く春。そんな心弾むはずの 緑あふれる
季節だというのに、道を挟んだご近所さんのご主人には心配の
種がひとつ。
それは・・・・
昨秋に塗り替えリフォームの終わったご自宅の背後に見え隠れ
している
そう隣地である賃貸住宅の敷地にある、巨大になってしまった
このクスの樹の存在です。
このロケーションからいえば・・・
台風の常襲地である南九州でありますから、とくに吹き返しの
北西からの強風のばあいに、このクスの折れた枝が家の方向に
飛んでくるばかりか、場合によっては樹全体が倒れ掛かってく
るケースも容易に想像できますものね。
とくにこのクスの場合は、丸形の樹形からあたかも二段構えの
ように立ち上がっている立ち枝の部分。
10年ほど前にいちど途中から伐採されたあと、その後に徒長
したかたちの この立ち枝の部分の倒壊には注意が必要です。
相当な重量がありますからね、これほどの長さになると。
実際に記憶を思い起こせば、ここ数年の台風シーズンにおける
この立ち枝部分の揺さぶられるさまは、しょうじきいって恐怖
を感じずにはおられません。並みの揺れ方じゃないんですもの。
そして この道を挟んだご近所さんのご主人の家と併せてとい
うか、もっともっと 危険と隣り合わせとなっているのが
そう、このクスの根元の部分の、平屋の貸住宅におられる店子
のみなさん。
車の大きさや平屋の住宅の屋根の高さからも推しはかれるよう
うに、この大木が倒れたら車も家屋も[場合によっては人命も]
無事ではいられないような気がします。
そこで対策ですが・・・
こうなってしまった樹木を安全に撤去するには、現時点ではそ
れ相当の費用がかかり 地主さんが費用の捻出に苦労されてい
るのはわかるのですが、逡巡[決断がつかずぐずぐすする様]し
つづけていればいるほど、日毎に数センチ・日毎に数キロづつ
危険がましていっているのは 火を見るよりも明らか。
いちにちでも早い伐採がなにより最良の対応策であると思われ
ます。
ということで今回は、たとえば鳥の運んだ種から発芽した雑木
などであっても、油断しているうちにいつのまにやら大木巨木
に育てあげてしまう南九州の風土についてのおはなしでした。
ちなみにスケールはまるで小さいのですが、一昨年にカシの樹
の立ち枝を切おろしたら、ほんの数mの長さの枝でも60キロ以
上もあってたいへんに苦労したという回は こちら。
数日前、今や巨木となってしまったこのクスの樹のある
貸家に20年前までおられた一人であるNさんと話す機会
があったのですが、そのNさん曰く “この平屋をでると
きに、このクスの樹の幹の直経はせいぜい15センチく
らい、両の手のひらで回るくらいであった”という証言。。
どんだけ樹木を大きくするのか、この南九州の温暖で湿
潤な気候は・・とこの話をきいて驚愕してしまいました。
このまま温暖化が進行していけば、いずれ西日本全体も
南九州化していくかもかも。